本が持つ役割や要素をアート作品として昇華させる太田泰友。本の新しい可能性を見せてくれるブックアートを、さらに深く追究するべく、ドイツを中心に欧米で活躍してきた新進気鋭のブックアーティストが、本に関わる素晴らしい技術や材料を求めて日本国内を温ねる旅をします。

記事一覧


2018年9月20日
本をたずねて、ブックアートを知る(6)
ロギールさんは和紙だけでなく、ヨーロッパ生まれのコットンペーパー作りにも取り組んでいます。ロギールさんが作るコットンペーパーは、こだわりのオーガニックコットンを縫製工場から仕入れて原料としています。コットンペーパー作りに使えるようにするため、原料を細かくするのに用いるのが…

2018年8月20日
本をたずねて、ブックアートを知る(5)
かみこやに到着してから帰るまで、食事の時間とコーヒータイム以外の時間は、ほとんどロギールさんの紙漉き作業に付ききりで、その技術と極意を見せてもらい、追究されてきた知識と志を聞かせてもらっていました。夕食をいただいて、また漉き場に戻り、その日の作業を全て終えた後、ロギールさんと…

2018年7月20日
本をたずねて、ブックアートを知る(4)
叩解(こうかい) さらしが終わったら、原料の中で細かなキズや混ざっているチリなどを手で取り除きます。原料の繊維は、繊維同士でくっつきたがるような性質があります。かたまりになっている原料を木槌で叩き、一度繊維同士をはがし、ばらばらにするのが「叩解」です。紙を漉くときには、繊維が…

2018年6月20日
本をたずねて、ブックアートを知る(3)
テラスにいると、どこからともなくせせらぎが聞こえてきます。四万十川が源流のきれいな水と密接な関わりを持つロギールさんの紙漉きのことを想像させられました。梼原の空気に心地よさを感じながら待っていると、ロギールさんが紙漉き場から出てきました。事前に何度か電話で話したことはありま…

2018年5月22日
本をたずねて、ブックアートを知る(2)
本は、たくさんの材料や技術からできていますが、今回、旅の最初に温ねたのは「紙」です。高知県に暮らす手漉き和紙作家、ロギール・アウテンボーガルト氏を訪れてきました。「高知の和紙」を旅のスタートに選んだのには訳があります。僕が1歳の時に亡くなった祖父がいるのですが、僕はその祖父に…

2018年5月22日
本をたずねて、ブックアートを知る(1)
僕は日本で本づくりを始めました。ドイツでブックアートと出会い、向き合って深めてきました。そして今これから日本を拠点にブックアートの制作活動を展開していこうとしています。ブックアートに関わり得る日本のいろいろなことを、なんとなく知っているような気になっていることを、改めて…

著者紹介

太田 泰友(おおた・やすとも)
1988年生まれ、山梨県育ち。ブック・アーティスト。OTAブックアート代表。
2017年、ブルグ・ギービヒェンシュタイン芸術大学(ドイツ、ハレ)ザビーネ・ゴルデ教授のもと、日本人初のブックアートにおけるドイツの最高学位マイスターシューラー号を取得。
これまでに、ドイツをはじめとしたヨーロッパで作品の制作・発表を行い、ドイツ国立図書館などヨーロッパやアメリカを中心に多くの作品をパブリック・コレクションとして収蔵している。
2016年度、ポーラ美術振興財団在外研修員(ドイツ)。
Photo: Fumiaki Omori (f-me)